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2018.06.20
【キタコレ!】伊藤桃連載vol.3!成田空港のお膝元にマニアックすぎる駅!
【キタコレ!】伊藤桃連載vol.3!成田空港のお膝元にマニアックすぎる駅!
今は灯りの灯ることのない掲示板そして動かないエスカレーター…
構内には立ち入り禁止の看板とその奥にはもう使われなくなった階段。
人気のない打ちっぱなしのコンクリートの通路。
まるで廃墟さながらのこの駅がいまでも利用されている、しかも東京からほど近い駅であるなんてみなさま信じられますか?
この駅は東成田駅といいます。
名前からもわかるように成田空港のほど近くにある駅で、成田駅から乗り換えられる芝山鉄道という路線の駅です。
東成田駅と芝山千代田駅の2駅しかない全長2.2kmという短さの芝山鉄道。
成田空港の近くを走っているため、車窓からは低空をとぶダイナミックな飛行機や駐機している飛行機を見ることができて、短い車窓の間も景色をたのしむこともできます。
ですがなんといってもおすすめなのはこの東成田駅です!
現在も使われている駅にもかかわらず、降りたホームのおくにはうっすらと仄暗い使用されていないホームが…
まるでゲームにでてくるダンジョンのようでわくわくしてしまいます!
実はこの駅は1991年までは成田空港駅という名前で営業していたれっきとした成田空港の最寄り駅だったのです。
それが現在使われている成田空港駅の開業により東成田駅と名前も変わり、特急用のホームは使用されなくなりました。それでもかつての名残として、冒頭の写真の大きいエスカレーターや広告は残っているということです。
電気は通っていませんでしたが…。
なおこの使われていないホームの駅名標は『成田空港駅』とかつての駅名のまま残っています。
うーん、しぶい。
通路をぬけ、駅の出口である階段を上った先にあったのはまさかの…。
ゲート!?この先ぬけるにはIDカードが必要なのでしょうか…?
何も悪いことはしていないのに、なぜかいけないところに入り込んでしまったのではないという不安がふとよぎります。
少し躊躇していたら警備員さんが「どうぞお通り抜け下さーい」と声をかけてくれました。
おそるおそる「あのーここでなにかチェックするのですか?」と聞くと、「かつてはそうだったのですけど今は必要ないんです」と教えてくれました。
なぞのゲートでしたが、やはりセキュリティ上必要な時もあるのでしょうか。
周辺にもお店や住宅はなくただ管制塔がそびえたち、成田空港のおひざもとであることが実感できました。
ただそれでも今や使われていない出口や
落ち葉のかぶった自転車のとまる駐輪所など
とにかく渋い・・・。
これが日本の世界への玄関口・成田空港のかつてのターミナル駅だったなんてにわかには信じられません。
しかしこの東成田駅。
ターミナル駅でこそなくなってしまいましたが…なんと、今でも成田空港までつながってはいるのです!
それがこちら!じゃーん!
がらんとした駅構内にある少しだけ真新しい通路。
全長約500mのながーいながーいこの通路の先にはなんと成田空港があるのです。
他にひとっこひとりいない通路はまるで秘密の抜け道のようで思わずはしゃいでしまいました。
しんとしていた通路ですが少しずつ賑やかな騒めきがきこえてきました。
最初は何の音かすらも気づけなかったのですが、一歩外に出て気づきました。
それは成田空港第二ビルの喧噪だったのです。
それまでの静かな通路が嘘のようなにぎやかな世界がそこには広がっていました。
もちろんどこに行く予定もない私ですが、様々な国の方であふれた活気のある空港に心が浮き立ってきました。
せっかく空港にきたのにこのままとんぼ帰りじゃもったいない。
そこで空港にある展望台に行ってみました。
こちらは無料ではいることができるスペースでまさに出立していく飛行機を間近で眺めることができるのです。
個人的には第二ビルより第一ビルのほうが1フロア高いのもありお気に入りでした。
夕焼けから光きらめく夜空へ。
あっという間に移り変わっていく空と、様々な想いをいだいた人を乗せて旅立っていく飛行機をただ眺める。
そこには贅沢な時間がありました。
成田駅はJRと京成本線があり、私が今回のった京成本線では日暮里駅から成田駅までは約1時間10分と小旅行気分で遊びに行くことができます。
歴史を感じさせる東成田駅、そして世界への玄関口の成田空港。まったく違う二つを楽しめる芝山鉄道の旅、週末ほっと非日常を味わいにあそびにいってみてはいかがでしょうか。
ライター:伊藤桃
記事元
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